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契約書を作るときの注意

約束事は書面に残すのが一番です。

約束事は本来書面にするべきなのですが、立場上相手方に書面交付の要求ができなかったり、馴れ合いなどで口約束で済ませてしまうことはよくあることです。

ご存じの方も多いでしょうが、民法上の契約である、売買、贈与、請負、委任、賃貸借などは、いずれも口頭での契約が有効です。
書面にするのは後々のトラブル防止のためです。

トラブルが発生してから悔しい思いをすることのないようできるだけ書面に残すことをお勧めします。

書面作成は、当事者同士の話し合いが合意に至った直後が一番良い時です。

ですから、あらかじめ予定された話し合い等に臨むときには、その目的に合致した契約書等の書面を事前に用意して応じると、後々の手間を省くことにもつながります。


契約書の内容

実際に契約内容を書面にする場合、何の契約なのかをハッキリさせることも大切です。

例えば、業務に関する契約には委任契約と請負契約があります。それぞれ民法に規定のある契約ですが、契約当事者の権利や義務、また、責任に違いがあります。

目的にあった契約書にしなければ、勘違いから思いがけない不利益をこうむることもあります。

市販の定型契約書を利用されるのであれば、合意内容に合致した契約書面であることをしっかり確認してください。

尚、「契約自由の原則」という言葉がありますが、何でもかんでも有効になるわけではありません。
公序良俗に反する内容は無効になります。(民法90条)


契約書、覚書、念書の違い

契約書等の書面には次のような違いがあります。

契約書

契約書は、2人以上の当事者が、一定の法律効果を発生させる意思表示(合意)を書面にしたものです。

覚書

覚書も、2人以上の当事者が、契約と同じように法律効果を発生させる意思表示を書面にしたようなものもあれば、すでにある契約を補足・補強するために作成されることもあります。
「覚書」という名称よりも、その内容を重視します。

念書

念書は、当事者の一方が相手に差し入れるものです。ですからその内容は、念書を書く者が一方的に義務を負担したり、一定の事実を認めたりするようなものになってきます。
したがって、念書のもつ意味は、後日の証拠として利用されるためにあるといってよいでしょう。


金銭の支払いを求める契約書

売掛金や貸金、また、不法行為者に対する賠償金の支払いを求める場合の契約書には次のようなものがあります。

これらの金銭の支払いを目的とする契約書は公正証書にしておくことをお勧めします。

公正証書のページはこちらです

金銭消費貸借契約書

単純なお金の貸し借りに関する契約書です。
商行為での契約であれば消滅時効は5年であり、民事上の契約の場合は10年となります。

尚、金銭消費貸借契約書も借用書も契約書としての性質は同じです。
借用書は1部だけ作成して、借主が貸主に差し入れるものであるのに対し、金銭消費貸借契約書は2部作成して貸主と借主の双方が所持します。

※消費貸借契約とは
借主が、目的物(例 お金)と種類・品質・数量の同じ物をもって返還することを約束して、貸主から目的物を受け取ることによって効力を生じる契約のことをいいます。(民法587条)

消費貸借契約は、現実に物(お金等)を引き渡すことが契約の要件であり、これを「要物契約」といいます。

これに対し、売買契約などは「売った、買った」の言葉で成立する「諾成契約」といいます。

金銭準消費貸借契約書

金銭消費貸借契約は単純なお金の貸し借りですが、金銭準消費貸借契約は、商取引など契約上の債権を通常の金銭貸借に置き換える契約です。

例えば、売買代金の支払いができない債務者が、債権者との間で、元の売買契約を金銭貸借契約(借金)に置き換えることを契約するのです。
この置き換えた契約を消費貸借と呼ぶのです。

(民法588条)
消費貸借によらないで金銭その他の物を給付する義務を負うものがある場合において、当事者がその物を消費貸借の目的とすることを約したときは、消費貸借は、これによって成立したものとみなす。

準消費貸借契約に置き換えるメリットの一つとして消滅時効期間の延長があります。

商取引上の売掛金の消滅時効は2年間と短く、うっかりしていると時効で取りはぐれる事態になることもあり得ますが、商取引の金銭準貸借消費貸借契約の場合は時効期間が5年になりますし、商取引以外であれば10年になります。

また、売掛金の支払期限を延ばす代わりに債務者に連帯保証をつけてもらい、その上で金銭準消費貸借契約書を作成して返済を確かなものにしていく方法もあります。
※金銭消費貸借契約は保証人を立てるのが通常です。

債務承認・弁済契約書

債務弁済契約書とは、契約当事者の一方(債務者)や不法行為をした者(加害者)などが金銭債務があることを認め、その返済条件等を定める契約書です。

過去の金銭貸借等の契約が履行されずに滞っている場合に、新たな利息や返済条件を設定するためにも利用されます。

債務承認弁済契約は既存の債務を承認するものですから、当該債権はこれにより時効が中断されます。


その他契約書の例

金銭支払いを目的とする契約書については上記で触れましたが、その他、契約書には次のようなものがあります。

請負に関するもの

 ・工事請負契約書 ・商品運送契約書 ・製造委託契約書

商取引に関するもの

 ・取引基本契約書 ・業務委託契約書

不動産・動産の賃貸借に関するもの

 ・定期建物賃貸借契約書 ・土地一時使用賃貸借契約書 ・動産賃貸借契約書 

使用貸借に関するもの

 ・動産使用貸借契約書 ・土地使用貸借契約書  ・建物使用貸借契約書

委任・委託・寄託に関するもの

 ・業務委託契約書 ・賃貸不動産管理委託契約書   ・清掃業務委託契約書 

その他

  ・離婚協議書 ・遺産分割協議書 ・債権譲渡契約書 


保証契約

保証契約は、書面(または電磁的記録)によらなければ無効となります。
(民法466条2項、3項)


印紙について

契約書には、印紙税法の区分により印紙を貼らなければなりません。
尚、印紙が貼られていないからといって契約書自体が無効になるわけではありません。

あくまでも税法上の問題で、印紙を貼付しなかったり額が不足している場合は、印紙税額の3倍に相当する額の過怠税がかかります。

ただし、文書作成者が所轄税務署長に対し、収入印紙を貼っていなかったり額が不足していることを自主的に申し出たときは、1.1倍に軽減されます。

尚、覚書や念書もその内容によっては、契約の成立や変更などを証明するために作成される文書として印紙税法上の契約書に含まれますから、収入印紙を貼らなければならない場合があります。

印紙税の詳細については、以下の国税庁のウエブサイトをご覧ください。

国税庁ウエブサイト(印紙税に関するページ)


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