慰謝料請求・損害賠償請求|内容証明利用の手引き|
損害賠償・慰謝料請求と内容証明
債務者や他人から損害や精神的な苦痛を受けたときは、相手に対して損害賠償や慰謝料の請求ができます。(民法415条、同709条、同710条)
不法行為や債務不履行がハッキリしていて証拠もあるのでしたら、その請求には内容証明を利用するとよいでしょう。
受けた損害や苦痛と、その賠償や慰謝の額、また明確な証拠があることなどを内容証明にして相手へ送るのです。
請求はしたくても「相手の顔を見たくない」、「感情的になって話し合いにならない」というような場合にも便利な手段です。
尚、相手が加害行為を認めなかったり、事実関係について争っていたりするのであれば、裁判所に提訴したり、警察に被害届の提出や告訴なども検討した方がよいでしょう。
損害賠償と慰謝料の範囲
債務不履行による損害賠償の範囲
民法415条により、債務者がその責に帰すべき事由によって本来の債務の履行をしなかった場合、債権者は損害賠償請求をすることができますが、その範囲については、債務不履行によって通常生ずべき損害とされています。(民法416条)
また、特別の事情によって生じた損害でも、当事者がその事情を予見していたりしたときは含めることができます。
尚、債務者に「同時履行の抗弁」や「留置権」など、法律上与えられた権利があれば債務不履行にはあたりませんので、賠償請求することはできません。
また、帰責事由の有無については、債務者がその立証責任を負うこととされています。
不法行為による損害賠償の範囲
不法行為による損害賠償の範囲も、債務不履行による損害賠償の範囲が類推適用されます。
慰謝料の範囲
慰謝料は「この場合には〇〇円」というような決まった額はありません。
決まった額はないとしても、現実的にはおおよその基準(相場)が形成されています。
ですから、示談の場合などで、心情優先のあまり高額な慰謝料を相手に請求して、かえって話がこじれ泥沼化することもあります。
裁判上の場合には、相手(加害者)の資力、年齢、社会的地位で判断するようですが、不倫の場合であれば、不貞行為の回数や期間なども判断材料になっているようです。