支払督促とは |内容証明利用の手引き|
支払督促とは
支払督促とは、債権者の申し立てにより、簡易裁判所の裁判所書記官が債務者の言い分を一切聞かずに、金銭の支払いなどを命じる督促状を一方的に相手へ送るものです。
支払督促を利用したほうがよい例
支払督促は債務者の言い分を一切聞かずになされるものですから、契約内容等について争っている場合は、債務者の督促異議によって通常訴訟へ移行することもあります。
ですから、次のような場合に支払督促を利用するとよいでしょう。
- 債務の存在や支払金額などについては争いが無く、単に債務者が支払いに応じない場合
- 申立人(債権者)が、明確な証拠を持っていて、通常裁判になっても強い勝算がある場合
支払督促の申し立て先
支払督促の申し立ては、簡易裁判所の裁判所書記官へ行います。
また、どこの簡易裁判所でもよいわけではなく、次のような決まりがあります。
債務者への請求(一般)
債務者の住所地や居所を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官
事業所や営業所に関するもの
事業所や営業所を持つ相手であれば、その事業所または営業所における業務に関するものは、その所在地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に申し立てることができます。
手形または小切手に関するもの
手形や小切手による金銭の支払い請求は、手形または小切手の支払地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に申し立てることができます。
支払督促の手続きと流れ
支払督促の手続きは以下のようになります。
1、簡易裁判所の裁判所書記官へ支払督促の申し立て
2、書記官から、債務者へ支払督促の送達
→送達後、2週間以内に債務者が異議の申し立てをすると通常の訴訟へ移行します。
3、申立人(債権者)による仮執行の宣言の申し立て
→上記2の送達から2週間以内に債務者から異議の申し立てがない場合です。
※申立てができる期間は、2週間経過後から30日以内です。
4、仮執行宣言付きの支払督促の送達
→債権者と債務者双方に送られます。2週間以内に債務者が異議を申し立てる
と、通常の訴訟へ移行します。
5、強制執行手続きが可能になります。
→送達から2週間以内に債務者から異議の申し立てがない場合です。
支払督促手続きの手数料
支払督促の手続きに必要な費用は、「支払督促申し立て手数料」+「書類の郵送料」となります。
申立手数料は、請求額に応じて決まっており、収入印紙で申立書に貼付して納付します。
支払督促手数料は訴訟手数料の半額になっています。
支払督促手続きの書類
支払督促の申し立てで使う書式や記載例は裁判所のウエブサイトをご覧ください。
※行政書士は権利義務や事実証明に関する文書の作成と官公署の手続きを代理することができますが、裁判所に関わる書類作成や手続き、また、相手との代理交渉を行うことは法律上できません。もっとも、支払督促や少額訴訟は難しいものではありませんから、債権が少額なために費用を極力抑えたいような場合には、ご本人による手続きを強くお勧めします。